ベトナム料理のCanh Chua(カンチュア)は酸味スープの芸術品だ

酸味系のスープでおいしいものって日本ではあんまりないですよね。
中華料理を食べに行ったら、たまーに酸辣湯を食べることがあるってくらいのもので。

酸味をメインとしたスープで「これがおいしいんだよ!」って言える料理はあんまりない気がします。

そんな日本とは逆に、ベトナムでは酸味系のスープが好まれていて。
ベトナム人はあらゆる食べ物にライムを絞って、酸っぱくするのが大好き。

ベトナムの国民食というか、一番人気のインスタントラーメンの味付けだって
Chua Cay
(すっぱ辛い味)
になっているくらいです。

そんな酸味文化が発達しているベトナム料理の中でもボクのイチオシ。
いや、世界で1番洗練されているんじゃないかって言っても過言ではないスープ料理がこの
Canh Chua
カンチュア

なんですよね。

カンチュアの何が凄いかって言うと
ナチュラルな酸味
ここに尽きると思います。

ベトナム人は酢のような人工的な酸味をあまり料理に使わない傾向にあって。
その分野菜とか柑橘類の酸味をうまく取り入れるのを好むみたいなんですけど。
そんなベトナム料理の中でもこのカンチュアは
酸味のデパート
って形容しても良いくらいのリッチな酸味系料理。
非常に複雑でナチュラルな酸味が融合したスープになっています。

トマト
パイナップル
タマリンド

を基本として。

ライムキンカンも使って
スープの中にとても豊かな風味が満喫できる料理です。

野菜や柑橘類の酸味っていうのは複雑な味わいがあって。
トマトなんかはそれ単体でスープにするだけでも旨味があって、とってもおいしいものじゃないですか。

そんな単体でも十分においしいナチュラルな酸味を三重にも四重にもプラスしているのがこのスープのすごいところです。

ただ単に酸っぱいと言うのとは全然違うんです。
いろんな種類の酸味が絶妙に混じり合ってものすごいハーモニーを作り出しています。

またカンチュアは透き通ったスープが特徴的で、見た目にもキレイな一品。

これは、これらの酸味野菜を煮込む前にとる出汁が白身魚だからです。

少し脂ののったナマズのような魚の出汁でとるスープには透明感と絶妙な油分が加わるから、魚好きな日本人にとっても食べやすい味に仕上がっている、ってわけです。

この出汁に酸味野菜や柑橘類のナチュラルな酸味をこれでもか!ってくらいに投入。
そこに砂糖を加えることで酸味と甘味を中和させる、ってわけです。

スープの中に広がった複雑な酸味を砂糖の甘みで中和させ、酢豚のような甘酸っぱくておいしいスープをつくり出すんですよね。

ボクはこのカンチュアにハマってから酸味系のスープが大好きになりました。

ベトナム料理の中でまだあまり知名度は高くないみたいなんですけど。
正直言って「フォーよりもオススメできるかも」って思っているくらい、ボクは素晴らしい料理だと思っています。

酸味文化が発達したベトナム料理の中において最高峰と呼べるほどのスープ。
それがカンチュアなんですよね

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yusan

ホーチミン在住8年。元ベトナム語通訳です。 もともとはベトナム人材関係の仕事をしていたんだけど、現在はコロナのせいで失業中。 良い仕事があったら紹介してください😷

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